日伊声楽コンコルソ2017鑑賞記
1位 テノール工藤さん
順当でしょう。一昨年の毎コン時よりも、かなり洗練された印象。
一昨年注目した、柔らかで伸びやかな声の感激は得られなかったが、然し乍ら一曲一曲の完成度、総合的な面で、順当に1位。
2位 テノール澤崎さん
将来性を見込まれての2位であろう。
声の輝きはむしろ工藤さんよりも、男声では随一ではなかったか。
音楽面では若さが残り、この声をこの先どう演奏に反映させていくか、2,3年後が楽しみと踏んでいたが、現時点での2位入賞は意外であった。
3位 ソプラノ内田さん
なかなか引き込まれる歌を歌う。
音程、テクニックもほぼ完璧に思えた。
安定感があり、声にも全くクセがない。
声楽コンクール出場者にしては珍しく素朴な印象。
今後、クセのない声、素朴なイメージが歌い手としてどう作用していくか気になるところではある。
入選
今年は上位とそれ以外の差がかなり大きかったように思う。
テノール澤原さんは去年の本選にも出場されていた。端正で清潔感のある声は好感が持てる。ただやはり線が細いか。そう思うと、2位澤崎さんはやはり持って生まれたものがラッキーというべきであろう。
ソプラノ糸数さん。
この人が、問題である。
最後に登場し、ノルマで会場を湧かせた。
どのように評価されるのか、ひょっとすると、と思ったが入賞ならず。
この声の存在感は何と表現するべきか、日本人離れというか規格外というか。
倍音が凄まじいのだろうか。佇まいも不思議なオーラがあった。
名前からもしかしたらと思ったが、やはり沖縄の方であった。情報が少ないが、今一度聴きたい声。
入選の中で特筆は上記二人のみであるが、若者達の日頃の鍛錬に心から敬意を。